シャチ柄

音楽制作、物書き、Jリーグ観戦など私の趣味が炸裂する非営利ブログです。

監督人事に思うこと

2019年、J1リーグ

成績の振るわないチームは、 なんとか成績アップのために、監督交代に踏み切った。

キャンプもできないシーズン中、 選手やコーチやクラブの把握すらできない状態での 「スクランブル監督」には多くのプレッシャーとリスクがある。

出来るだけ、監督交代は無い方がいい。

どのチームだってわかってはいるのだけれど、やってしまうのだ。

それは名古屋グランパスも、例外ではなかった。

監督交代

さてさて

名古屋グランパスは、2019シーズンも残りわずかとなったところでの監督交代。

よくもまぁ、風間色に2年半強染まったチームの指揮をフィッカデンティが引き受けてくれたなと思うのです。

どんな監督だってシーズン終了目前に前任者が染め上げ、 結果の出せないチームの指揮をとるなんて絶対に嫌だし、 降格させたら責任のすべてを被るのですから、 オイシイ仕事ではありませんよね。

しかしそうも言ってられなかったチーム事情。
多くのファンから見ても「遅すぎた」感は否めませんし、 「もっと早く変えていたら・・・」のタラレバも言いたくなりますよ。

シーズン途中、監督の人選としては

・Jリーグを知っている。
・J1の興行を理解している。
・J1クラブ指揮経験者である。
・在籍する選手が知っている人物である。

程度の条件でしか選べないと思うんですよ。

攻撃的だとか守備的だとか、 風間前監督を継承できるとか、 そんなこと言っている場合では無いんですよね、時間的に。

フィッカデンティは他チームで結果が出せなかった監督でしたので、 ここで残留を勝ち取れば一気に信頼回復出来ると踏んだのかもしれません。

多くのサポーターやファンが思っていたように、 風間前監督の積み上げたものを少し軌道修正すればソコソコやれるのではと、 フィッカデンティも思っていたのかもしれませんね。

守備を整える

とりあえず、どんな監督でも着手するのは「守備」です。

攻撃の一歩目は必ず「守備」から始まるわけですから、 もちろん「守った」だけではダメですよね。

ベンゲルだって、就任してすぐに着手したのは守備でした。 シーズンも残りわずかですから「勝つための方法論」を説いたって間に合わない。

フィッカデンティもまた「守備」から入りました。 「守備的な監督」だからではなく、 基本的に負けが込んでいるチームを立て直すには、 まず「守備」から着手するのが手っ取り早いからなのでしょう。

といったって、前任者が2年半強染め上げたカラーを変化させるには、短期では無理。 どうしても「勝利」を熱望してしまう我々には、 「フィットする」までの時間が不安で仕方ありません。 付け焼刃でも「最低限の約束事」とか、「距離感」とかを 整備するしか手は無いのでしょうね。

攻撃はどうするのか

私は多くのファン、サポーターが思うように、 選手の技術に関しては高水準にあると思っています。

ただ、能力が高ければ勝利できるかといえば、 それは全く違いますよね。

風間前監督が指揮を執っていた試合は、 相手の守備陣形がバッチリ揃ってしまってから攻撃が始まっていたように感じます。

要するに、
攻撃開始が遅かった。

パスとトラップの数が相手より多ければ、 ミスをしてしまう機会も多くなるのは当然の事。 「ミスをしたから」で片づけられては、 選手たちがあまりにもかわいそうだと思っていました。

今のJリーグは、海外から移籍してきた選手たちが口をそろえて言うように「展開が早い」のが特徴です。 つまり、カウンターの応酬にどうしてもなってしまう。

早く攻めて、相手の裏を取る。
どのチームだってだいたい同じ。
世界水準ではないのかもしれないけれど、 日本人には似合った戦術なのでしょう。

ひょっとしたら風間前監督の目指すものは 「世界水準」だったのかもしれません。

でもそれは合わなかった。

川崎フロンターレのように「Jリーグ向け」に改造できればよかっただけかもしれませんね。

フィッカデンティがどうしたか。

時間的余裕がないので基本技術は現状維持。 守備の連動と約束事の構築、程度しかできなかった2019年です。

今後

2020年シーズンもフィッカデンティ監督が指揮をとることになりました。

相当苦しい時期に、監督業としては「賭け」に等しいタイミングでのオファーを受けてくれたわけですから、 残留を勝ち取ったなら「来期も」のオプションは監督業としては当然の要求と考えます。

逆に、残留に導いてオファーをしないとすればクラブが不義理と思われ、 受けてくれる監督がいなくなる懸念があります。

では、ファン、サポーターの心情はどうか。

どうしても「風間さん」を継承してほしいというひとは多いと思います。

が、

この2年半、風間前監督の教えを受けた選手たちは、 あまりにも移籍しすぎたように私は思えます。

つまり、「風間色」にこだわる必要は全く無いということ。

掲示板では
「面白いのはブラジルの様なサッカー、強いのはフランスの様なサッカー」
と書かれていましたが、強いサッカーと面白いサッカーは全く別物であり、 それが年々変わっていくものだと私は思っています。

技術の向上は風間さんがなんとかしてくれた。 その技術力を戦術に深く落とし込まないアクの強い監督でなければ、 いいのかなと軽く考えています。

まぁ、応援するのなら選手も監督もコーチもスタッフも、 愛したいじゃないっすかねぇ。

written by 日照ノ秋人 これからが本当の評価となる