シャチ柄

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私がソソられる歌詞とは

ボカロオリジナル4曲目、「愛されないのは君のせい」をYouTubeにアップしました。今回はいつもと違い、歌詞をライバーとしても活躍されている小鳥遊ぐりさんからお借りしました。弱小ボカロPで恐縮ですがこの場を借りて御礼申し上げます。

さてさて、作詞って大変ですよね。

楽曲製作において「曲先」の場合は曲に文字数を合わせなきゃいけないし、「詞先」であっても文字数は考えなければ唄にはならない。それでいてそれらしい意味と雰囲気を作らなければならないので、「語彙力」が問われる作業といえます。

それでいつも思うのですよ。

「曲出来た、音出来た、歌詞メンドクセー」と。

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こういうのが好きです

私がソソられる歌詞について書いていきますが、あくまで「私好み」ですから留意くださいね。

短いのがいい

歌詞とは言葉を繋げていくものですが、不思議なもので短い程心に響くと思うのですよ。なので私は短い歌詞の方が好きだし、「よくこの短さにまとめたな」と関心します。長いと造形が深くなるかと思いきや、説明臭くなって人の心に響いてこなくなっちゃって逆効果だと思うのですよね。

「君(きみ)」を連発しないのがいい

詩などでは「君(きみ)」というワード自体が「恋愛対象」を現すとのことですが、普段使いますか?「君が好きだ」って。◎◎くんが好き、◎◎ちゃんが好き、あなたが好き、おまえが好き…「きみが好き」って言うかなぁと、よそよそしくないかなぁと思うのです。

まぁそれは人それぞれとして、連発してしまうと急に説明チックになっちゃうんですよね。僕がどーのこーので君がどうした…状況をわかって欲しいのはわかりますが、歌詞というより日記になってしまう。せっかく歌詞なんだからサ、説明しないで情景を匂わすテクがあるほうがソソられるんです。

特に意味が無くてもいい

言葉が足らないとかで意味が汲み取りにくいなぁという歌詞についてですが、私はコレについては寛大です。リズムに合わせて限られた言葉数で完璧にやれという方がムリです。それに、完璧な意味を表現すると「ただの説明」になってしまうという怖さもあります。聴く人にある程度解釈しろと投げかけるくらいが唄っぽいと思うのです。世の中には全く意味不明な歌詞も在るわけですから、「ちょっと通らない」程度は「味」と私は都合良く変換します。


小鳥遊ぐりさんの歌詞について

歌詞には主に2つのタイプがあると思います。

ひとつは物語を描くような、聴く人に映像を浮かばせるような歌詞。もうひとつは格好良いフレーズを組上げた歌詞ですね。

今回の「愛されないのは君のせい」では、失望から希望へとシフトしていく心情がドラマチックに描かれていて良いですよね。それでいて短くまとめられており、なにより私では絶対に書けないタイプの歌詞というのが、気に留めた要因であります。

女性と男性では歌詞のカラーは変わりますよね。女性の方がやはりオトナなんですよ。男はね、女々しい。男のくせに。女性目線の歌詞というのは女性にしか書けないワケですから、小鳥遊ぐりさんにはこれからも素晴らしい歌詞を作って活躍してほしいと願っています。

本当はこんな弱小ボカロPでなく、もっと広く注目されればいろいろメリットがあったかもしれないのに申し訳ないなぁと思いつつ、私が後々偉人になれば恩返しできるかもとも思いましたが、 そんな見込みが在るのかよと小さいブーメランを喰らって「悪い事してタイーホされないようにしよう」なあんて思ってしまった。ひとの作品をお借りしたら、そういった所も責任が課せられるワケです。その辺りは迷惑かけないように気をつけなきゃいけませんね。

自分の歌詞はどうなのか

今までいくつかをアップしてきましたが、上で書いてきた部分がだいたい当てはまっていると思いますよ、特に意味が通らない部分があるとか。私の歌詞は「格好良いフレーズを組上げた歌詞」に近いと思います。どうしても短いとそうなってしまうのですよ。

物語にするには尺が必要なのですが、上手い人は短くてもまとめてくるんですよね。古い歌ほど後者の歌詞が多いです。歌詞の進歩は一応はしているのですが、どちらが良いかと問われれば「どちらでも良い」と思います。

ただ「雨が降りそう」を「空が泣き出しそう」と言う人は昔も今もいません。え、いるの?

ボーカルのチカラは凄い

いくら言葉を上手に繋いだって、唄に昇華出来なければもったいない。その最後の味付けというか説得力の部分は実はボーカルのチカラだと思うのですよ。従ってボーカルが歌詞を書くというのは理にかなっていると思います。ボカロPをやっている者として、ボカロでは「ソコ」が出来ないって悩むんですよね。

たぶん「ソコ」を排除しているからこそボカロの「味」なのでしょうが、ずっとボカロを触っていると「人間に唄ってもらいたい欲」がどうしても出てくるんです。自分で歌えよって話ですが、やはりトレーニングや実績を積んだボーカルにはどうしても及ばないのです。それくらい人間は凄いのだ、自信持て人間ッ!

おわりに

今作「愛されないのは君のせい」では自分作ではない歌詞に曲をつけるという作業でしたが、自作詞では絶対に閃かないメロディーラインになったと思います。それはやはり「歌詞」のチカラによるもので、歌詞から曲をいただいたと言っても言い過ぎではないのですよね。それくらい歌詞には人を突き動かすものがあるのかもしれません。もちろん聴く側だけでなく作る側にも。

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written by 日照ノ秋人 なにも浮かばなくなった私です